心身状況が低下して日常生活に何かしらの支援が必要な高齢者の数は増え続けていますが、寝たきりなどの身体的な重介護状態の高齢者だけでははなく、様々な原因で引き起こされている認知症状を抱えている要介護者も少なくありません。介護保険法に基づいて運営されている介護サービスは、限られた職員配置の中で安全に適切な介護を提供する事が求められているのです。
介護職の仕事としては排泄や入浴、食事や移動介助などの身体介護はもちろんのこと、サービス形態によってはバイタル測定や服薬介助、レクレーションや外出行事など幅広い支援を提供しています。さらには認知症を抱えてコミュニケーションを図ることが難しいケースも多く、忙しい現場において介護職員には適切で瞬時に行える判断力が求められるのです。一人の介護職員が複数の利用者を見守りながら対応する状況もあり、複数のケアを行う場合には、安全や緊急性などを瞬時に判断して理論的に優先順位を決めて対応する力が求められます。状況によっては自分一人の対応で安全が確保できない場合もあり、他職員のヘルプを呼ばなければならない場合もあるのです。
介護職は常に日々の利用者の心身状況や変化を把握しながら、小さな異変に気付いて早期に対応する観察力も求められます。限られた職員配置の中で、利用者に必要な介護やその他の業務を毎日円滑に行う役割が求められるのです。日々状況が変化する利用者対応においては、命や安全が最優先すべきことになります。事故予防に努めて安全を確保できる、ケアの方法や優先順位を瞬間的に判断する思考力は介護職にとって非常に重要なスキルと言えるのです。